技術ドキュメントを別にすると、マネージメントとか労働法関連とか、詰めが甘かったり・知ったかだったりしてダサい内容の多いAt mark ITのコラム。ところが、そのなかにとてもいいドキュメントもあることを知った。
公江 義隆さんの書く、何かがおかしいIT化の進め方、である。
特に、ここ最近の5本、
はお勧めだ。
IT化についてだけ言えることではなく、格差とか非正規労働者の失業とか、金融危機とか、地球温暖化防止とか、享楽的に日々を過ごしている青少年のこととか、自分とその家族程度のことしか考えられなくなっている多くのかたがたのこととか、権利を主張はするけれど義務を果たさない人のこととか、モンスターペアレントとか、そんな問題についても当てはまることが書いてある。
多分、読むのにエネルギーが要るので、自分で考えることが面倒な・訓練されていない世代の人は読むのに苦労するだろうが、そんな人たちにこそ読んでもらいたいドキュメントだ。
優秀なスタッフを育てる職場環境とはには、理解力として
-
レベル1: 見聞きしたことをそのまま知っている
-
レベル2: そのままの内容なら、他人に話すことができる
-
レベル3: 状況や相手に合わせた説明ができる、そのままの内容でなら行動できる
-
レベル4: 本質を理解してほかの問題に応用できる、応用に必要な修正行動ができる
-
レベル5: 自分自身の考えになっていて自然に行動している、それを基に創造ができる
とあり、
仕事に生かせるのは最低レベル3で、多くの場合はレベル4、5が要求される。この段階に到達するには、“覚える”を超えて“理解”しなくてはならない。そのために「自分で考えてみる・やってみる」という能動的な発想や行動がどうしても必要になる。
と言う説明。うれしい。
自分が所属している小さな社会構成単位(会社や学校や行きつけの飲み屋、など)が、更に広い国や地域といった社会レベルから見てどの程度のスキルレベルか?なんてことを考慮せず、自分が属しているコミュニティーの中では、
「周りが馬鹿に見える。」
レベルに達している人たちがいる。彼らの多くは、
-
レベル1: 見聞きしたことをそのまま知っている
-
レベル2: そのままの内容なら、他人に話すことができる
レベルなのにも関わらず、本人は、
-
レベル3: 状況や相手に合わせた説明ができる、そのままの内容でなら行動できる
-
レベル4: 本質を理解してほかの問題に応用できる、応用に必要な修正行動ができる
-
レベル5: 自分自身の考えになっていて自然に行動している、それを基に創造ができる
である、と誤認している。困ったもんだ。
さて、プロの要件としての説明がまた良い。
-
レベル1: いわれたことしかしない。追い込まれてからしかしない
-
レベル2: いわれなくても行動するが、当たり前のことしかやらない
-
レベル3: 複数の方法から、最良の判断を行い実行できる
-
レベル4: 独自に工夫した行動を取り、状況を変えていく
-
レベル5: 新しい別の状況を独自に作る
のうち、4と5はクリアしていないとプロと呼べない、とまで言ってる。うれしい。
ヒューマンスキルの基本としては
-
1. 時間と約束を守ろう。「会議や待ち合わせた時間に遅れるな」「約束したことは守ろう、どうしても守れなくなった場合には、速やかに連絡と謝罪をしよう」
「うまく言い逃れができた、勘弁してもらった」と思うたびに、その分だけ自分の信用を落としている。しかられたり、文句をいわれたりする間が花である。
-
2. あいさつはコミュニケーションの出発点、その場に適切な言葉であいさつをしよう。
-
3. 相手の話をよく聞こう。返事(応答)をしよう。
-
4. 自分の考えを持ち積極的に発言しよう。話すべきことが話せるようになろう。
-
5. 正しい日本語の勉強をしよう。
と書いてる。今までの人生で出会った馬鹿ガキ全員に送りたい言葉だ。
受験塾や昨今の学校教育の延長で、「知識は教えてもらうもの」と思っている若者社員は多い。面倒なことを自分で考えるよりも、どうやればよいのかを教えてもらい、そのとおりにする方が楽だというマニュアル人間もいる。
ほんとにそう感じる。怒られるのを避けるために、自分で考えないで、「どうしたら良いですか?」って質問する奴までいる。それって、責任逃れだろう?でも、権利は一人前と思ってる。
最終更新日 Dec 27 2008