いまでは多くの人材派遣会社でもやっていますが、
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登録スタッフを派遣するだけでなく、案件を受注してスタッフを利用してソリューションサービスを提供しよう、
というサービスをはじめた人材派遣会社がありました。そこに常駐エンジニア・コンサルタントとして呼ばれました。そのときのことです。
MacintoshがほとんどというネットワークをWindowsに移行するという案件がきました。ファイルサーバーでありFilemakerデーターベースのサーバーも兼ねるコンピューターもMacでした。移行後はサーバーもWindowsですから今までMacで作成したドキュメントを今度はWindowsで読書きできるようにします。
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両方のプラットフォームで同じアプリケーションを出しているメーカーのドキュメントならば、それぞれのプラットフォームでアプリケーションを用意することで読み書きは出来るでしょう、
と最初に断っておいたんです。たとえば
Microsoft Officeならば
Windowsでも
Macでも用意されていますから、
Macで作成してたドキュメントは
Windowsでも読み書きできますよ、ということです。そして、どちらのクライアントからも見える共有フォルダとして
Windowsサーバー製品標準の
Macintoshファイル共有サービスの利用を提案しました。
あくまでもWindowsのMacintoshサービスを利用してWindowsクライアントとMacintoshクライアントの両方からMicrosoft Officeドキュメントにアセスできることを実現するレベルの提案をし、それが受け入れられたハズものでした。
サーバーとクライアントの環境を設定し引き渡すところまで行うのですから、
「客先でぶっつけ本番で構築してはいけない。まずラボを用意して検証しなくては。」
と部門のAマネージャーとK営業担当に進言しました。ラボ環境が無ければ検証できませんし、客先で実験するわけにもいきませんから。Aマネージャーはその必要性を理解し、営業担当役員を説得しようと試みましたが出来なかったようです。結局はこの部門に検証用環境は来なかったのですから。
いわゆる、「セクション(部門)作って人を置けばどうにかなる。」という考えです。出来ない場合は、担当者が悪い、とされてしまう。やる気とか技術力という問題にされてしまう、のです。とんでもないですね。道具を用意せずどうにもならないじゃないですか?
※ それとも業務請負だから道具もこっちも地という考え方?契約上では道具は委託側用意のはずですが・・・。
これには困りました。私にはMacintoshネットワークの経験は無く、検証環境なしには不可能でした。失敗しても検証環境が無いゆえにと考える方はまずいないでしょう。私の技術スキルが疑われます。そこで、
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AT互換機については自己所有のCompaq Proliant 800を持ち込みWindows 2000 Serverをインストール、
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Macは自費でMac OS X Sever UnlimitedとともにPower Mac G4を新規購入し持ち込みました。
Mac購入にあたってはHIEDA NETの代表者である父に相談しました。
「本来はSI事業を立ち上げた就業先で用意すべきものだが無い。」
と。するとstrong>HIEDA NET社長は、
「これを機会にMacintoshネットワークのノウハウをHIEDA NETに得るために投資として新規購入しよう。」
と。就業先にこの発想があるべきでしたね。
今回の案件は、
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提案・営業の主導とインフラ構築は私が就業している部門が、
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データベースの移行はプログラマーなどを派遣しているセクションが
担当しました。この開発セクションは派遣スタッフを派遣としてではなく、既に開発案件を受注してアウトソーシングソリューションサービスのスタッフとして稼動させる実績がありました。そこで同じフロア内の開発者の環境には
MacのLAB環境が既にありました。型も古いながら、
Mac・AT互換機が複数用意され、OSも
Windows・Linux・
Macと揃っていました。アプリケーション開発ツールなどもです。そこでは、
Windows版と
Mac版の
Microsoft Officeもあるということです。しかし、それらは受注している開発案件のためだけにあり、今回案件のネットワーク接続検証に利用は出来ません。流石に私でも
Mac版の
Microsoft Officeまでは用意できませんでしたから、このことゆえにトラブルが起きたのは非常に残念です。
この案件では、あくまでもWindowsのMacintoshサービスを利用してWindowsクライアントとMacintoshクライアントの両方からMicrosoft Officeドキュメントにアセスできることを実現することが目的のはずでした。
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ところが、、客先に常駐しているアルバイトのMacのエンジニアと称する人がWindows版Microsoft OfficeとMac版Microsoft Officeのレイアウトとフォントの差異を吸収する機構をWindows Serverに実装することを求めたり、
(そんな仕組みをファイルサーバーに実装するのはナンセンス。またMac環境のフォントをWindowsで表示するのは無理。無理とわかっていることを要求するのは非論理的。)
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Windows版Microsoft OfficeとMac版Microsoft Officeのレイアウトの差異は運用と人手で解決する、そのために人手が必要ならばいくらでも用意できる、というアイデアを担当営業がなかなか伝えなかったり、
(メールの回答に一週間もかけるのですから、こりゃ駄目だわね。お客が怒るのも当り前。私は質問が来た日には君に解説したよ。)
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etc・・・etc・・・etc・・・
と、とても悲しいことばかりが起きました。
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人手かプログラムかは別にして、Windows版Microsoft OfficeとMac版Microsoft Officeのレイアウトとフォントの差異を吸収するという要求仕様変更を受け入れる
と決まったわけでもないのに、いつの間にかその方向でみなが動き出したこと。それを受け入れるならば追加要求なのだからそれなりの料金提示が必要なはずですが、それを言う人はいない。以前の価格のままお話している。
更には、就業先社長・DBチーム・サーバ導入チーム集まって会議したときに、本来の要求仕様を変えるならやぶさかではないけれど、全員の認識統一の確認なしにいつの間にか仕様が変更していることを明確化するため、
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この案件では、あくまでもWindowsのMacintoshサービスを利用してWindowsクライアントとMacintoshクライアントの両方からMicrosoft Officeドキュメントにアセスできることを実現することが目的でしたが・・・
と持ち出すと、DBチームの女性が、
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その方法ではこうなりますと、Macintoshクライアントで作成したMicrosoft OfficeドキュメントをWindowsクライアントで印刷したものを提示、
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社長はこれを見て、あ〜!、これじゃあ、駄目だ!、と発言
僕はこのプロジェクトからはずされることとなりました。SI事業役員はズルイことにこのミーティングには出てこない。
しかし、
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こちらは道具無く、Webサイトやカタログ情報しかなく
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DBチームは道具を与えられ、実験まで可能!
という
差別的格差があるのに同じ土俵で勝負できませんよねぇ・・・。
しかも、
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MicrosoftWebサイトやカタログでうたっていることを否定、
しています。世間で
Microsoft Officeの機能とか、
Windows Serverの機能とか使いこなして、プラットフォームを越えてドキュメント交換している組織では、
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レイアウトとフォントの差異を最初から少なくなるように運用するとか
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読み込んですぐ利用できないことは当り前、多少の修正必要、と認識して利用するとか
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しているわけで、
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無修正で読み込んだすぐ利用できるには、
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お金とってドキュメント変換請け負うという別案件として認識させる
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すべきだし、にも関わらず、そのように考えず、ネットワーク導入・サーバ導入担当を責める、そして、提案書書いた人を責めるというのは、この会社・代表取締役がITスキル無く・ITの理解無く・SIを理解していない、ということになると考えます。
どう考えても冤罪ですよ!
SI事業をしようとしているのに、セクションを設けてそのポジションに人を置けばどうにかなると考え、検証環境・LABの用意の必要性を理解出来ない程度のスキルの方々ですから、トラブルに際しては的外れな介釈と間違った評価を下してしまうのです。
最終更新日 09 SEP 2003