今日の恭麿
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 > これは変だよ  > 社長という人種


 
04 JAN 2005:追記

完全フリーになって7年になる。それまでどこかの企業に正社員として従属していた。どこの企業でもそこそこ活躍してきたが、例えばあるミッションを遂行するにあたって自分が持っている技術力を発揮したいときに、それ以前に、業務の標準化を計るとか、理解のない同僚や上司を説得するとか、評価される技術以前にエネルギーを消費していた。これはこれで活躍なのだが、当時標準の技術とか人類が到達している技術とか、書店に行けば手に入る雑誌(Oh! PCとか月刊ASCIIなど)には当たり前として記載されていることを、入手せず・読みもせず・理解もせず、という組織(これでもシステムインタグレーターだと。)を最後にこんな効率の悪い生き方を止めようと決めた。

起業するにあたって個人事業でも起業にはなるが、それなりに有名な企業は法人でないと相手にしないという現実もあり、会社を設立した。

これで判ったことは、世間では、平よりも係長・係長よりも課長・課長よりも部長・部長よりも社長が偉い!という認識・風潮があるが、必ずしもそのようなことはない!どちらかというと間違い!の方が多い、ということだ。

なぜならば会社を作ることはそんなに難しくはないし、会社が出来てしまえば社長にもなれる。企業を存続させるためにそこそこの経営能力は要求されるが、そんなものはハッタリ!をかまして仕事さえとってしまえば、信用を失うことさえいとわなければまともな商品も納品しない、程度のものでも勤まってしまう。人格もヒューマンスキルもあってないが如しの方も多い。そのような社長の経営する会社ならば、上級管理職だって期待は出来ないのは当然である。給与を抑えるための成果主義という語も使用される。公平なんて事はないから多くの従業員がやる気を無くす。当然企業としての業績は期待通りにならない。

どこかの企業に正社員として従属していた時には、たぶんそうなんじゃないかな?、と薄々気付いていたことを、まず間違いないと確信できた。創業社長のほとんどは、バイタリティはあるが従業員の悲鳴法律違反にはとても鈍感か、気付いていても無視することも平気な人種であるということ。二代目社長は、自分のすることは全て受け入れられなければ気に入らない、という我儘な人種。いずれも面倒なことは全て他人にやらせる、自然法則・物理法則に反していても「どうにかしろ!」「何とかしろ!」という人々である。ねっ?社長だからって人格者とは限らないんだ。
※ もちろんHIEDA NETのように例外もある。

そこそこ世間に知られていて、そこそこ規模の大きい企業だと、経営をするためだけに社長が用意される。社外から呼ばれてきたか、その企業出身かはべつとして。このような雇われ社長は、経営能力はありバイタリティもあるのに、たいてい腰が低い方が多い。高圧的な姿勢で従業員に接するということも無い。どんなに大きな企業でも従業員が人材ということに変わりは無いはずだが、ここに気付いている社長とそうではない社長との違いがここに出る。

で今回のコラム、社長って人種は迷惑な人・困った人が多いね、という話である。7年前の文章を掘り起こしてきた。とても拙稚な文章である。ご容赦願いたい。

04 JAN 2005:追記ここまで

M社長

新入社員教育の一環で、入社前に合宿などで教育を行う企業は多い。この企業でも4/1の入社式前に1週間伊豆で合宿研修を行っていた。新卒の方だけでなく、それ以前一年間に中途入社した社会人経験者もこのとき合宿に参加する。講師になるのはその企業で幹部とか幹部候補生と目される方々で、社員教員委員会という組織の構成メンバーである。まぁ、ある程度の規模になっている企業なのにこの程度の事をしていない企業のほうがどうかしていると思うが。

社員教員委員会のメンバーは流石、その企業の中では正に働いている人々である。しかし、社員教員の講師として適当かどうかは別の議論だ。私・天災もこの企業に5年と半年の間属していたが、その四年目に「社員教員委員会のメンバーにする」という社長命令がでたが、当時の委員長がそれを無視、天災の講師は実現しなかったんだね。

当時はインターネット技術を社内で利用するなんて事を一般企業ではしていなかったから、メールや掲示版で「これは変だよ!」的なことが出来ない。パソコン通信のメールや掲示板なんてまたまだマニアな人々しか利用していないからそちらを利用しての方法も効力無い。しかし、この企業、提案制度というのを実施していて、改善提案・発明提案・新規事業提案・クレーム処理報告を提案目安箱に入れれば、幹部会議を経て採点される、という仕組みがあった。これを利用して、年間最多提案と年間最多クレーム処理報告をしていた天災は、それもあって社長には目をかけられていたのだけれど、またそれゆえに既存の幹部社員には嫌われていたんだね。(よくある話だろ?いわゆる抵抗勢力って奴ね。)

で情けないことに、この社長、自分の命令が無視されているのに、強いことを言わない。日ごろは「人は命令では動かない。感情で動く。」などと言っていながら、自分では出来ない・やらない。無視するほうが
  「無視しても懲戒にも戒告にもならないから。」
  「俺をクビにできるっかってか?」
と舐めているのにね。僕ならば業務命令ですよ。

で、この合宿に受講生として参加したときに、社長に質問したんだ。
  マロ:「僕は中途採用ですから、この合宿中も賃金が支払われるし、事故があっても労災ですが、他の新卒受講生の場合はどうなっているんですか?」
  社長:「合宿期間中の風呂・飯はこちらが出している。社会人としての心得・すぐに金が稼げるようにとの従業員教育をしているのだから、逆に金をもらいたいくらいだ。」

う〜ん、この程度か。拘束している間の最低賃金を支払うことさえ考慮していない。これはあくまでも投資であって、後で回収出来ることを見越して合宿をしているはずである。このような変な考え方だから、怖いもの無しで社長をやってられるのだろう。法律云々を持ち出してきて、賃金の支払いを求めるような輩は最初から排除って言うことかな?

更にこの合宿研修を「卒業式と重なっていますんで・・・。」と断った学生さんを、それを理由として明示したかどうかは判らぬが、様々な言い方で入社辞退にさせた。実質は採用取消である。学生さんが法を知らなかったからよかったものの天災相手ならば裁判だな。

M社長

新幹線でとなりに座った女性に声をかけ、売れない女優さん、とわかったら、応援したいと言う。それは社長の勝手だが、手話ミュージカルなるものの音響・大道具・小道具・会場手配含め自分が社長をしている会社の従業員を使う。まあ、一種の広報活動というのならばこれもOKだが、

  • これは会社ぐるみのボランティアだ!
  • ボランティアだから残業しても割増賃金は出さない。
という。従業員が個人的に共感してボランティアとして、有給休暇とって参加するのならともかく、業務命令で音響・大道具・小道具・会場手配をしているのだから、
  • ボランティアだから残業しても割増賃金は出さない。
って言うのは駄目だよね。でもこの程度、常識ハズレで、神経図太く、法令違反も平気、ということでないと社長と言う人種になれないのかもね。
つづく・・・


初出 03 DEC 1998
最終更新日 03 JAN 2005



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