裁量労働制って何?
現在では修正されているが、この記事発表当初は、裁量労働制だから残業代(法廷割増賃金)がつかない
的な説明の文があった。書いているのが人材派遣大手のアデコの人。こりゃまずいねぇ。
そこで、
この記事は、
裁量労働制だから残業代(法廷割増賃金)がつかない
的な説明の文になっていますが、
これは「裁量労働制」の「適用の範囲」がまず不明確ですし、
たとえ適用可能な職種だとしても、労基法では青天井で
「割増賃金適用外労働時間」を認めているわけではありません。
裁量労働制とはいえ、法定労働時間内で労働する事が法の解釈です。
労働者が正確な知識を持たないのをいいことに、使用者側でも
-
正確な知識なく「裁量労働制だから割増賃金なし」
-
知っていも「裁量労働制だから割増賃金なし」
という方もいるのが現実ですが、いずれも「労基法違反」のはずです。
というメールを送ったところ、
天災さまがご指摘の点、まさにその通りのようです。
そのため、ご指摘のあった記事から、該当部分を削除し、
一部編集し直して公開しております。
裁量労働制に関しては、今後別の記事などで解説できればと
考えております。
貴重なご指摘、ありがとうございました。
となった。丁寧な対応でよろしい。
法令違反をはっきりと法令違反というべきでは?
先日、第46回 時短ブームで激減? 平均残業代は5万円を読んだ。ありやりゃ、どうも@IT、勉強していないね。そこでメールを書いた。
どうも@ITでこの手の内容の記事では、
雇用者側・経営者側に有利なように、
無知な労働者諸君に正確な情報を与えていないように感じます。
例えば、
> サービス残業(残業代の支払われない残業)を当たり前としていた職場でも、
> 「月30時間以上はサービス残業だったが、月20時間以上は申請したうえで
> 青天井に変更になった」など、その見直しが進んでいるという報告もある。
の部分。
法定労働時間はそれ以上働かせたら法律違反です。
そして、
-
法定労働時間以上働かせたら法律違反状態だけれど、
割増賃金を支払うことによって使用者の責任を問わない
というのが残業代です。
割増賃金を支払わない残業は二重に法を犯しているのです。
そこのところをはっきりと労働者側の人々に伝えないと、
「もしかして合法?」
という誤解を与えることにならないでしょうか?
また、
> 裁量労働制の導入で残業代カット?
という見出しもありますが、
> ・裁量制度の導入で、来年度から残業代はカットとなるらしい。しかし、基本給は上がらず
> ・裁量労働制になった。ある一定の職能給になると見なし労働制もなし
というみなし残業手当てなしの裁量労働制も法令違反です。
今回の作文の内容が、
的な説明の文になっています。
まず「裁量労働制」の「適用の範囲」がまず不明確です。
ITエンジニア全員が「適用可能」ということは無いです。
システムエンジニアは適用だけれどプログラマは適用外。
だからといって、名詞に「システムエンジニア」と書いてあれば適用可?というと
当然そうではない場合もある。
それぞれの企業や周りからの呼び名ではなく、
働き方の実態によってこれら職種の区別がなされます。
(しかも経済産業省的区別ではなく、厚生労働省的区別)
たとえ適用可能な職種だとしても、
労基法では青天井で「割増賃金適用外労働時間」を認めているわけではありません。
裁量労働制とはいえ、法定労働時間内で労働する事が法の解釈です。
労働者が正確な知識を持たないのをいいことに、経営者側・使用者側が
ということをしているが現実です。
労働者に不安を与える、経営側に有利な勘違いを生じさせる、
そんな記事と感じます。
「自分戦略研究所」なのですから、「法令違反は法令違反」とはっきり、
明示していただくことを望みます。
すると丁寧なメールが都合3通来た。最後のメールがこれ。
ご意見をいただきました記事
「最新DATAで見る『エンジニアのキャリア事情』」(46)
http://jibun.atmarkit.co.jp/lcareer01/rensai/career46/data46.html
につきまして、訂正を行いましたのでご報告申し上げます。
記事の内容を再度確認し、「サービス残業」に関する不適切な部分を削除し
裁量労働制について誤解を招く部分がありましたので、コメントを追加いたしま
した。
また、記事の末尾と当サイトの「お詫びと訂正、お知らせ」ページに
http://jibun.atmarkit.co.jp/info/aftercare/aftercare.html
訂正を行った旨を記載いたしました。
このたびは貴重なご意見をいただき、まことにありがとうございました。
というもの。言葉が出ていなかったからこちらが指摘していない「みなし残業代」についても、
実残業時間分の残業代が出ていなくても、
労使委員会で定めた見なし労働時間が法定労働時間を超えた場合、
その時間分の残業代が支払われていれば適法です。
と、よく判らない・変な文章だけれど、載っていることだけで評価だ。
きっとこんなことを言いたかったんだろう。
労使委員会で定めた見なし労働時間が法定労働時間を超えた場合、
実残業時間分の残業代が出ていなくても、
実残業時間賃金 − 裁量労働手当 = 差分の残業代
その差分の残業代が支払われていれば適法です。
尚、みなし残業代は裁量労働制とは関係ない制度である。そしてこの制度自体は合法。またみなし残業代の割増賃金の名称は
どのようなものでも良い、名称の如何を問わず、である。しかし、繰り返しになるが、みなし残業代で支払われる残業時間を越えて労働した場合には、
-
実残業時間賃金額 − 裁量労働手当額 = 差分の残業代
の追加を必要とする。
大手スーツ屋さんとか大手コンビニの雇われ店長は、管理監督者・管理職ではなく労働者、ということになったろ! 追記:2009 Jul 20
ということからすると、修正がまだまだ不十分。
ある一定の職能給になる=管理監督者になったという意味であれば、
労働基準法の労働時間、休憩、休日に関する部分が適用除外のため、
時間外手当の支給がなくても適法です。
の部分、「重役出勤しているような、時間拘束に関わらない働き方をしても誰も怒らないような」「経営に携わっているような」場合に、「管理監督」というのであって、部長とか課長とか係長とかいう役職で「管理者」というレベルでは、労働基準法の適用を受ける。
※ 役職名にステータスを感じちゃっている人たちが多いようで、部長とか課長とか係長とかいう役職で「残業代でないんだぜ!」を自慢している人も多いね。
リクルートは対応する気がないらしい。
※ ここで言う「定額払いの残業代」を「みなし残業手当」という。
こんな記事がある。日付から最近の記事である。あまりにも文章が簡単で、
-
定額手当で想定する残業時間を越えて働いているのか?
-
定額手当で想定する残業時間を越えずに働いているのか?
が全く不明。でも、
と回答している。そこでメールを送った。
> 回答者の作成した自作自演の想定質問でなければ、質問者は、
> 「単位時間当たりの賃金額の1.25倍×残業時間を計算すると、
> 定額支払いの残業手当額を超えるけれど追加の支払いが無い。これは違法では?」
> という質問と思われます。そこで
> 「定額手当ての想定する残業時間を超えて残業した場合、追加の割増賃金支払い義務が生じます。」
> と解説があったほうが親切と考えます。
で返ってきた回答は、
> 今回お送りいただきましたご意見につきましては、担当の社労士と
> 確認の上、追加、修正等が必要だと判断しました場合には、順次対
> 応をとらさせていただく所存でございます。
というもの。で、
この記事はいまだ修正されず。
「定額手当ての想定する残業時間を超えて残業した場合、追加の割増賃金支払い義務が生じます。」を労働者諸君に教えたくないらしい。
今年の7月に修正があったようだね。 追記:2009 Jul 20
ということは、修正するのに二年もかかったということなのね。
ずいぶんといい方向になったけれど、まだ、間違いがある。
会社の就業規則で、22時以降の深夜残業や休日出勤の場合には
通常よりも割り増しすることが規定されている場合、
該当する勤務には割り増しした手当が支払われなくてはなりません。
深夜残業や休日出勤の割増賃金の規定は、就業規則に明記されているかどうかに関わりなく、労働基準法で決まってること。労働基準法は最低の基準を規定しているので、それを下回る内容の就業規則はその部分において無効だ。
就業規則に書いてないからといって、深夜や休日の割増賃金がもらえないとか、使用者は割増賃金支払いの義務がないとか、間違った受け取りをする人たちがいそうだね。
こんな会社から、お仕事の斡旋してもらっても、労働条件違法企業だったりして・・・・
初出日 15 Jul 2007
最終更新日 09 Aug 2007