世の中、しらないってことで、損する事もある。ただ、損している事に気が付かないとガッカリこないので、知らぬが仏という諺もある。
しかし、世の中には、
「この方が得だよ!楽だよ!」
と知らせても何が得なんだかわかんないという価値の判らない人もいる。まぁ、聴く耳も持たない人のほうが多いと感じているので、もう教えてやらないよ!である。
知らぬが仏(ほとけ)
知れば腹も立つが、知らないから仏のように平静でいられる。また、本人だけが知らないで平然としているのを、あざけっていう語。
例えば、中小零細企業で、極端には実体は自営業なのにとうちゃんかあちゃんだけでやっている名ばかりの会社で営業している会社に多いのだが、会社を大きく見せるためか、音声の電話とFaxを異なる電話番号にしている会社は多い。
その実現方法として、
-
ISDNの2回線同時通話機能とiナンバーもしくはダイヤルイン機能を併用
-
あるいは、アナログダイヤルインアダプタとダイヤルイン機能を併用
なんて事をすれば
おっ!知ってるね!と感動してしまうのだが、
-
Faxと音声電話機それぞれにアナログ回線を契約する
-
しかも、異なる市内局番の電話番号を取得する
なんて事を平気でやる。
Faxと音声電話機それぞれにアナログ回線を契約すると、
-
導入時には72000円が2回線分発生(導入コスト)していたのだろうし、
-
それ以来毎月、通話基本使用料金が2回線分発生(運用コスト)している、
ということなんだけれどね。
早めに損している事に気付いて移行すれば、まだ加入権に幾らばかりかの価値があるときに売却できる。加入権に価値がなくなってしまってからでは現金化も出来ないぞ!。
※ 旧電電公社やNTT事業会社は将来の加入権の廃止を考慮しないで施設設置負担金を返却しない契約としていたのだから、加入権の廃止を決定したことで契約の前提条件を変更した以上、施設設置負担金は返却すべきと僕は思うぜ!
で、たとえ、
「昼間、社長が外に営業に出ていて、専務(奥さん)が一人で留守番ならば、電話回線1回線で十分でしょう。」
って事を理解できたとしても、
場合、どちらかの番号を変更しないとダイヤルイン等の導入が出来ない。しかし、番号を変更したことで変更後の番号を知りえない3年ぶりで電話をかけてくるお客様の存在を考慮すると、ビジネスチャンスの喪失を防ぐために、
「電話番号は変更したくない。」
と判断する経営者も多い。
※3年ぶりで電話をかけてくる ・・・NTTは番号変更後、3ヶ月は旧番号で新番号を案内はしてくれる。それを超えた場合のことを想定して述べた。
3年と限定しているのではないことに注意!。
契約回線を追加するときに同一市内局番で追加すれば、ダイヤルインや代表番号等のメリットが享受できたのにね。
で、以上に述べた電話代のダイエットは個人事業主とうちゃん・かあちゃんの有限会社や名ばかりの株式会社だけでなく、社員100人程度までの零細・中小の企業にもあてはまる話である。
知らないって事は損をする。同様のことは電話だけに限らず、耐久消費財購入・人件費など様々に分野にも当てはまる。
Episode 1 以前にあった話
ずっと以前のことだが、様々な企業から100人からなるエンジニアが集まっているあるITプロジェクトに参加したことがある。このプロジェクトを束ねているのはお客様企業であった。そのとき僕は某システムインタグレーターと契約していて、そこからの派遣常駐エンジニアとしてそのプロジェクトに参加した。
※ 某システムインタグレーターはソフトメーカー兼システムインタグレーターである。PCショップに行くとソフトウェアコーナーにはこの某ソフトメーカー兼システムインタグレーター製のアプリケーション製品が並んでいる。PCを毎日仕事の道具として使いこなしている人ならば、その製品名を聞いたらば、まぁ、何処の会社だかすぐわかる会社である。
で、プロジェクトの常駐エンジニアの稼動を管理していたのはこのプロジェクトを束ねているのはお客様企業の方であった。常駐エンジニア(以下メンバーと称する)は稼動管理方法として月に一回Excelで作成したタイムシートをこの方に提出していた。管理が始まって7ヵ月後、このタイムシートの書式が変更になり、また、提出間隔も週一となった。これには幾らお客様の要望とはいえ負担が増加することとなったメンバーは反発し、
-
なぜ今月より稼動集計表のフォーマットを変更されたか。
-
毎週提出させる必要性は何か。
を質問したところ、
-
従来の報告様式では週ごとにワークシートが確保されており、紙ベースで管理する場合5ページコピーすることになり、保管・見易さから1枚に変更した。
-
このプロジェクトのお客様に対して日ごとの稼動時間報告をすることになっており、月末に常駐エンジニア全員の稼動時間をお客様の要求するフォーマットの表に転記するのはこの転記作業をしている人の大変な作業になるため、随時お客様フォーマットの表を作成するために毎週稼動表をもらい、月末の集中作業を軽減させるのがねらい。
という回答が来た。
な〜んだ、電子ドキュメントなのにも関わらず、紙と鉛筆で帳票管理しているのと同じ事をしているのね、ということがわかった。
更に、
-
参考としてお知らせするが、毎週(もしくは毎日)報告は他の部門では一般的になっている。
という一文もあった。これって「他では書いてくれているのだからおまえらもグダグダ文句言わないでやれよな!」という意味ではないよね?。
プロジェクトの仕切りをしている企業はインターネットwebサイトを見ても、
-
お客様の問題解決の為に技術ビジネスを展開するとか書いてあるし、
※ ということは一応システムインテグレーターだな!
-
教育研修センターという施設を案内して、IT教育事業をしている、
ということなんだが、それにしては
まったくITしていないじゃないか!、と感じた次第である。
この転記作業をしている人がこの業務だけをしていて一体月に幾らの給料を支払われていたのか知らないが、これもこのプロジェクトのランニングコストの一部であるからなんとまぁもったいないことだろう、ということにITエンジニアでなくても普通のビジネスマンならばお気付きであろう。
12年前までの1ファイル1シートのDOS版Lotus 1-2-3じゃあるまいし、Microsoft Excelは異なるシート間・異なるファイル間でセル参照が可能であるから、
-
5枚のワークシート上のセルを参照する1ヶ月表示のタイムシートをシートを追加すればよい
-
同様に5枚のワークシート上のセルを参照するお客様フォーマットで表示するワークシートを追加すればよい
ということだけで今回の変更理由となる変更仕様は満足可能なはずである。それともシステムインテグレーターなのにも関わらず、高卒の一般女子事務員でも出来るような
Microsoft Excelシートの作成が出来ないのかな?
更には、
-
データベースで管理すればデータ入力したとたんに即時反映で統計が取れる
-
タイムシートを1ヶ月表示するフォームを作成すれば毎日データ入力した日にちまで即時1ヶ月表示で印刷が可能
-
同様にお客様フォーマットで表示するフォームを作成すれば毎日データ入力した日にちまで即時1ヶ月表示で印刷が可能
-
印刷だけではなく、Microsoft Excelであろうが、CSVテキストであろうが、必要とする電子ファイル形式で出力可能
-
データベースアプリケーションはデスクトップデータベースのMicrosoft Accessで満足行くパフォーマンスならばそれでいいのだろうし、もっと早く!というのならばMSDE、更に早く!というのならばMicrosoft SQL Serverとアップグレードも出来る、
ということにも気付いていないようである。これでもシステムインテグレーターなのかな?なんて考えてしまう。
本来、ITは楽に・便利になるために利用されるべきである。ただ単に鉛筆と紙でやっていることを道具だけPCに変更しただけで、PCを清書マシンとしてのみしか活用していないということである。まぁ、転記作業をしている人の上司である某部長さんは、Virusの添付された件名の無いメールを何の疑問ももたず開封してしまうような人だから、エンジニアとかシステムインテグレーターとして期待するほうが間違いだし、そんな企業が当該プロジェクトを仕切る事自体が間違い
ではある。
イントラネットなんて名称でインターネット技術を企業内LANで利用するなんて事が行われるようになってから今年で10年である。企業内webサイトを利用して、webページから別ファイル・別媒体へのデータ入力は簡単に実現できる。この入力データの出力先をデータベースアプリケーションとすれば、
-
メンバーは毎日タイムカード代わりに、出退勤時間としたこと・やったことの内容を入力するだけ、
-
そのデータは入力後即時データベースに格納され、
-
管理者は必要なフォームで出力するだけ、
(たぶん画面操作は、
-
チェックボックスと
-
メンバー名選択と
-
期間指定と
-
出力種指定と
-
ボタン押下だけであろう。)
となる。
で繰り返すがこのとき僕が契約していた企業は、
-
PCを毎日仕事の道具として使いこなしている人ならば、その製品名を聞いたらば、まぁ、何処の会社だかすぐわかる会社であった
ので、このプロジェクトの勤怠を管理するシステムを作ると言い出した。費用は
転記作業をしている人の給与2ヶ月分。開発期間は40日。
これによって、毎月発生していた転記作業の人件費がセーブできるようになった。このシステムを導入しないと将来にわたって発生する転記作業の人件費を、その2ヶ月分の導入コストという一時費用で永久になくすことに成功したのである。更にコストメリット計算には入っていないが、当然、100人からなる常駐エンジニアのタイムシート記入の稼動コストも軽減したのである。
おまけの話
人件費がセーブできるようになったので、当然転記作業だけをしている人は必要なくなった。ついでに、Virus感染メールを無防備に開封し、プロジェクト内メーリングリストにVirus感染メールを配布した某部長も必要なくなった。能力が無いのに高い賃金という固定費を発生させていたという無駄なコストを削減できたのである。正に運用コストから導入コストへの転換である。
今から、ずっと、ず〜と以前のお話である。
注意
当方、今までに様々なところで似たようなプロジェクトを経験している。そこで、僕をご存知の方は、
「あっ、これはあの時のプロジェクトだな!」
と思うだろう。しかし、そのほとんどはハズレである。該当例は1つしかない。しかし、まずこのページの読者諸兄が当てる事は出来ないだろう。当ページの記載内容とあなたが知っているお仕事・組織内容と一部でも異なる記述がある場合には、あなたのご存知のお仕事・組織ではない。思い当たる事が多いからといって勘違いしないように!
大体無駄な出費を削減できない組織のほうが圧倒的に多いのだから。
今回の参考リンク
最終更新日 09 JAN 2005