今回のお話の前にまず用意していただきたいのは、
Windows Server world 2003年6月号かもしくは、
Windows Server World 特別編集号 Windows Server2003システム構築の手引である。9月号の2大特集の一番目、「Windowsネットワーク実践トラブルシューティング」(特別編集号にも再録)のトラブル事例7である。このときにどんなトラブルがあって、どんな解決をしたのかの詳細については、当該書籍を見て欲しい。問題は施設提供側の対応の悪さである。
空港のLANを利用した無線LAN(有償)利用の申し込みページにて手続きは可能。しかし、インターネット上のほとんどのサイトに辿りつけれない事象が発生。
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名前解決が出来ない
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IPアドレスでは通信可能
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面白いことに(お客にとって不都合なことに)申し込みは出来ても、サポート受付のページもしくは連絡先の記載が全くない!
Windows Server Worldでは何処なのか?ということが明記されていない。今回は公共の福祉をかんがみてハッキリと書く。民営化前の旧新東京国際空港公団(成田空港公団)である。
記事で紹介している障害が発生したときに、ブース内で片が付く事象ではないと切り分けをした後、空港サイドの応援を得ようと考えた。ところがこのインテルのイベントを行うにあたっての空港側のイベント関係窓口である業者の方に、障害の事象をお話した。ところが毎日交代できているこの業者の担当の方は、
「いわゆる以前は空港の職員でしたが今は定年した後出入りの業者で嘱託で働いています。」
という人たち。嘱託が悪いとは言わない。どんな契約形態でも本気で働いてもらえるのならば。
「いや〜、私はパソコンわかりませんから〜。」
というのりで、問題解決にあたろうとせず逃げようとする。
「で〜、このなんか故障(?)が直らないとイベントに支障がありますか〜?。パソコン並んでいるだけじゃ駄目ですか〜?」
なんて的外れなことを訊いてくる。事なかれ主義である。
「現在ほとんどのインターネットサイトが見えません。折角いらして頂いたお客様が、インターネット閲覧できずに帰ってしまわれています。」
「そちらにこの障害を対応していただこうとは私も考えていません。空港の無線LAN担当の方とお話しないと解決できません。その方と連絡をとっていただけますか?。」
とお話した。
「う〜ん。それは何処に行ったらいいのか〜。」
なんて考えている。そこで、空港で困ったときにに頼るところはどこか、設備利用で不都合があったときにまず頼るところはどこか、を訊いた。なんたってwebページからはサポート窓口がわからないのだから。
空港内にはiのマークのインフォメーションがここそこに設置されている。迷子や空港施設に着いて気軽にお尋ね・ご利用ください、というシステムである。ここにいって訊いてみたら、ということで行った。事情を説明しネットワーク担当の部署の方とお話したい旨伝えると、
「こちらでは対応できません。」
という。どうやら話半分しか通じていないようで、無線LANが使用できないのを何とかしてくれ、と聞こえているようだ。インフォメーションの方々に対応していただこうとは考えいないこと、を説明したら、こんどは何処にも連絡をする様子もなく、
「そんな部署ありません。」
と来た。まっさか〜?!
「それならばこのたび利用させていただいている無線LAN設備はどなたが管理・運営しているのですか?あの大きなマルチビジョンでも一時間に一回広告が流れていますが・・・。」
「・・・・・・。」
「情報システム部とか仕事で利用するコンピューターの面倒を見ている部署も無いのですか?。」
「そんな部署ありません。」
「これほど大きな施設で多くの職員が働いている。そしてあなたの目の前にもPCがある。ここで働いている方のほとんどがパソコンで仕事をしている。にもかかわらず、情報システム部とか仕事で利用するコンピューターの面倒を見ている部署が、本当に無いのですか?」
「・・・・・・。」
「無線LAN利用を申し込む空港のwebページには、連絡先電話番号も載っていないので、こちらとしてはこの空港のインフォメーションで担当部署を紹介していただくしか解決方法が無いのですが。」
「・・・・・・。」
「私どものようなイベント利用ではなく、いわゆる空港に2時間程度しか滞在しない一般の利用者・お客様が無線LAN利用を申し込んでその利用に支障があった場合、無線LAN利用を申し込む空港のwebページには、連絡先電話番号も載っていないので、やはり、この空港のインフォメーションを頼ると思いますがいかがですか?。」
「・・・・・・。そうなると思います・・・・・・。」
「それならば今回も無線LAN設備を管理・運営している部署と連絡をとって頂いてもいいのではないでしょうか?。」
「・・・・・・。」
「あなた方の空港職員、無線LAN設備を管理・運営しているのも空港職員ですよね?(外部委託かどうかは別にして)。」
「そうです。」
「ならば、同じ会社(公団という団体)なのだから全く連絡が取れないとか、そんな部署が無いということはないのではないですか?。」
「(連絡は)取れません。」
「ええっ?ならばいわゆる空港に2時間程度しか滞在しない一般の利用者・お客様が無線LAN利用を申し込んで全く利用できなかった場合どうするのですか?。」
「その場合には、連絡先を訊いて後で利用料金を為替などの方法でお返しいたします!!。」
ま〜たくっ、とんでもないぜ!
このころになるとインフォメーションで対応できないし、パソコン並んでいるだけじゃ駄目ということも、嘱託の人にも判ってきたようで、インフォメーション奥の有線電話(空港ではPHSが使用できるはずなのにまず利用できない。当たり前だ。アンテナ一本で早い者勝ち2人までというシステムだから。多数人が集まるところなんだからもっと回線とアンテナを増やさないとね。ドコモさん!)で様々なところへ電話をかけ始めた。そしてついに、空港内の情報システム部と連絡が取れた。
やっぱりあるじゃないか〜?!
電話の向こう側の方は空港情報システムの方で事情はよくわかってくれた。しかし、あまり権限が無い方ということでその日には収まらなかった。翌朝、公団の情報システムの方と業務を委託されている空港情報システムの課長さんという方とお話した。障害対応受付窓口が無いというシステム上の欠陥も認識したということだった。早急に対応するという話だったが、04 LAN 2005現在も障害対応受付窓口の記載・連絡先電話番号の記載は無い。ただし無線LANの業者のページリンクが出来ただけまだましであろう。少なくとも障害時はそちら経由で連絡が取れるのだから。民営化されてもこの程度である。
ただ今回の障害原因を思うと、無線LAN業者に連絡取れても直接解決にはならない。空港が利用しているDNSシステムの欠陥であるのだから。(詳細はWindows Server Worldを参照すること。)
後でわかったことだが、インテルの人がインフォメーションに「無線LANが利用できない」とクレームを言いに来た、とんでもないことだ!、と言う話になっていた。対応のまずさについての指摘は「クレーム」ととられるのは理解できるが、「無線LANが利用できない」とクレームをしたことは無いので、商売を考えないつぶれない会社の構成員(公団総裁も従業員もだ!)は、
「利用者の立場にたった考え方の出来ない人たちなんだなぁ」
と感じた。
教訓
成田空港で無線LANが利用できるのはラッキーなこと。利用できないのを覚悟して申し込むこと!