今日の恭麿
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M社長

しばらくぶりで、その会社に勤めていたときにお世話になったM松さんに出会った。在職中は随分僕の愚痴を聞いていただいたものだ。で、しばらくぶりだからということで早速飲む約束をした。

今も、M社長は健在ということで何よりではある。

社員教育委員会にいた4人の幹部が1ヶ月づつ時間をずらして退社し、同業の会社を作ったということだ。辞めるときにそんな事を一言もいっていなかったので、M社長は「裏切りだ!」とか喚いたそうでうある。何か好きな新しいことをやりたいと辞めていったならともかく、同業の会社を設立されてしまったということは、彼らが社長の会社にいたときに、それなりの処遇しかしなかったからだろう。辞められて文句をいうほうがおかしい。

更に、某最大手の放送局担当の営業で、受注件数一位、売上高一位、ということで、肩で風を切っていた社長お気に入りのOを懲戒免職にした、ということを聞いた。使い込みをしたということである。「可愛がってやったのに・・・」という飼い犬に手を噛まれた、という表現が正に合う。しかし、Oがそんな事をするまでに勘違いをしてしまったのには、M社長の甘やかしがある。

M社長の会社では、管理職登用試験を行っていた。何人かの方は試験に合格していなくても主任や係長・はたまた課長にまでなってしまう、穴だらけのシステムであった。   「けじめが大事、公平が大事」
ということを日ごろから口にしていながら、M社長自らの行いが言動不一致である。超まじめな人ほどモチベーションを下げる。また、そのうち自分も試験無しに管理職に・・・、なんてことを考える者が出てくる。モラルは下がりっぱなし。

そんな中で、
  「俺は売上ナンバーワン〜、俺は社長のお気に入り〜、タイムカードも押さないぜ〜、実は家で寝てるのさ〜。でも社長は怒らないぜ〜。」
というOに対して社長が放任していれば、回りも誰も注意しない。更に試験合格無しに係長になってしまうのならば、直属の上長でさえも、
  「俺は売上ナンバーワン〜、俺は社長のお気に入り〜、タイムカードも押さないぜ〜、実は家で寝てるのさ〜。それでも俺は係長〜。」
と言われてしまって返せない。なんたって社長が怒らないのだから。 これではそのうち、
  「俺は社長のお気に入り〜、接待費で私物を買っちゃうぜ〜、営業経費で飲み行っちゃうぜ〜、でも社長は怒らないぜ〜。」
という勘違いをしても、不思議ではない。

M社長、もちろん使い込みをしたOが一番悪い。しかし、早めに手を打っておけば起こらなかった事件である。彼の人生を変えてしまったということでも、M社長が悪い。
(「早めに手を打っておけば・・・」の早目とはいつ頃か?という質問には、「僕が在籍していたころ。」とお答えする。)



初出 03 JAN 2001
最終更新日 03 JAN 2005



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