もちろん営業を仕事としているかた全員に当てはまりはしないし、これから述べることに当てはまらない企業もたくさんある
ことは存じています。
以前在籍していた企業のマネージャーですが、見積もりができません。
工事やソリューションをお客様に提供しているのですが、
材料費・人件費(技術料)といった原価の積算ができないのですね。
まぁそこでこちらが工事原価を計算するのですが、
それをそのままお客様への見積もりとするのです。
案件ごとの事情は営業さんが一番よくご存知のはずです。
「今回は名刺やパンフレット代わりで。」
ということで原価割れの価格で提供することもあるでしょう。
案件ごとで上は毎回異なりますから、マージンを大きく取れるもの・そうでないもの
は
営業さんが一番よくご存知です。
お客様への提示価格は営業さんが決定するものですね。
ところがこのマネージャーはただ単に見積書を作成するのが面倒なのか、
技術担当が提出した工事原価をお客様へ提示価格とするのですね。
そして、
「マージンは確保できているのかよ?」
です。それをいくらにするのか決めるのが、おまえの仕事だろ〜。
普段は、
「立教の経営学科を出た。」
とか威張っていますが。な〜にを勉強してきたのでしょうねぇ。
この場合マージンとはどうやら利潤とか粗利を意味するらしいです。
営業って自分が担当している商品を知っているべきでしょう。
Soluotuon ProviderはIT Solutionを提供するサービスが商品となります。
エンジニアの持っている知識・技能が商品です。
エンジニアそのものが商品ともいえます。
芸能プロダクション所属のタレントが商品であるのと同様です。
芸能人がダンスや歌唱の練習をするように、
エンジニアの知識・技術の取得に励んでいます。
有能な芸能事務所が外からお金を稼ぐ仕事をさせるだけでなく、タレントの価値を高める為にダンスや歌を習わせるのと同様に、有能な企業は外からお金を稼ぐ仕事をさせるだけでなく、エンジニアの価値を高める為に研修を受講させたりします。展示会を見に行く行為をサボりとみなす企業はNo Goodですね。これだって投資です。
ITの営業は、
「私は営業なので技術のことはちっとも判りません。」
と言ってもらっては困ります。
お客様の要望を正確にエンジニアに伝えられなければなりません。
見積もりも作成できなければなりません。
ということは、エンジニアほどではないにせよ、
エンジニアのやっていることが理解できる、
商品を知っていることが要求されているはずです。
LANケーブル敷設工事の営業をしているならば、
工事期間や信頼性・仕上がりの綺麗さではプロのエンジニアにはるかに劣っていて
も、
工事の仕方・方法などどんなことをするのかを知っていれば、
正確な営業ができます。
営業配属として新入社員を雇用しても、最初の半年は工事部で工事を覚えさせる、なんて企業がありますね。ある金属加工業の企業では、営業であろうと総務であろうと、はたまた経理であろうと、男子でも女子でも、新入社員全員に、万力とヤスリだけで水平と垂直を正確に測り・直角をださせることを研修でするそうです。これが仕上がらないと通常の研修期間が過ぎても配属をさせない、出来るまで研修期間延長だそうです。その企業が「何を屋台骨として商売しているか?」を身をもって判ってもらうことを目指しているということです。うらやましいですね。
この話をすると経営者や上級管理職の方でさえ、「うちではそんな時間がないから・・・」と出来ない理由を言い訳するかたって多いですね。
駄目な営業は下見さえせず、
「現場処理で・・・・。」
という言葉を出します。
初出 JAN 2000
最終更新日 19 AUG 2003