ITインフラを導入する予算を捻出するお話です。
例えば、
「液晶ディスプレイを購入しましょう。」
ということを上申します。経営者や上司は、
「不況の時期そんな予算はないよ。液晶ディスプレイを購入することでどんなメリットがあるの?」
と説明を求めるでしょう。そのときに、
「デスクトップのディスプレイの占める面積が少なくなり作業効率が上がります。」
といっても売上数値がどのくらい上昇するかといった具体的な数値を上げないと、
「儲かるか儲からないのかわからないのにお金をだせません。」
と言うでしょう。
経営者や上司を納得させるためには導入のメリットを数値化して提示しましょう。
上記の液晶ディスプレイを例にすると、液晶ディスプレイを購入する金額が導入コストといえるでしょう。
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導入前ランニングコスト
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CRTディスプレイの消費電力
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導入後ランニングコスト
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液晶ディスプレイの消費電力
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といえるかもしれません。また現実にはCRTの熱発生量は液晶ディスプレイに比較してはるかに多いので空調設備の消費電力も
液晶ディスプレイ導入前と導入後で変化するランニングコストといえるでしょう。
液晶ディスプレイ導入後ランニングコストが導入前ランニングコストより低い値であれば、導入する価値は
あるかもしれません。しかしランニングコストにメリットがあっても導入コストにメリットがないかも知れません。ここの部分を検討します。
20台のPCセットがあるとします。導入検討対象の液晶ディスプレイの消費電力・熱発生量をカタログ等で調べました。すると、
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導入前月額電気料金
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100,000円
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導入後月額電気料金
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50,000円
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と予想できました。導入検討対象の液晶ディスプレイは70,000円します。20台購入するとして140万円です。
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70,000 × 20 = 1,400,000円
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1,400,000 ÷ 50,000 = 28ヶ月
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となり、導入コストは140万円かかりますが、導入した月から月額電気料金(ランニングコスト)は5万円になり、28ヶ月=2年と4ヶ月で導入コストの元が取れ、セーブされたランニングコストのメリットが享受できます。
液晶ディスプレイを導入しないと導入コストは0円ですが、いつまでも高いランニングコストを支払いつづけることになります。
トータルコストをセーブするにはランニングコストをセーブすることです。
物価変動が無いものとして仮定すると、いつ導入しても導入コストは変わりませんから、
液晶ディスプレイの導入時期が早ければ早いほど、セーブされたランニングコストのメリットを享受でき、
トータルコストをセーブできます。
導入しないとランニングコストとして支払いつづけるだけです。
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