※ こんな知識、知らないで過ごせたら平和で幸せなこと。
またまた「最初の二ヶ月は試用期間なので国民年金・国民健康保険で」という会社があった。
あるお仕事紹介してくれるシステムに登録しているので、時々、
という打診がくる。今回来たのは
まったく、はぁ〜?という感じだが、興味があったので会いに行った。
間抜け面の営業(こいつがこちらの登録スペックも水にメールをよこした)と、人当たり良く、なんか「出来そう!」という感じのマネージャーと会った。
普通、履歴書・職務経歴書を要求されるが行く前の電話ではそんな話はまったくなかったのでこちらもわざと用意しなかった。どうせ断るなら先方に断らせよう、と考えていたし。
でやっぱり面談時冒頭から「履歴書・職務経歴書を・・・」と言う話になった。もちろん、「いわれませんでしたから用意しておりません。ただしインターネット接続出来ればいつでも取り出せますが・・」と言った。
多分、立場が逆でも、「そんなものは言われなくても用意すべきがビジネス常識」と僕も考える。でも「言われなかったから。」を強調しておいた。なんたって今回向こうがこちらを舐めれば舐めるだけ冷やかし度を増そうと考えていたから。まじめに応対すればこちらも真剣さ。
で、契約形態のお話に
やっぱり言ってきた。「最初の二ヶ月は試用期間なので国民年金・国民健康保険で」だと。
まあ、前回の会社より正直なのが、
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こちらも商売なので使えるかどうかわからない時期に会社が半額負担できません
という。なるほどね。この場では反論しないで頷いておいた。
で、台風の去った翌日、社会保険事務所へ
歩いていける距離に社会保険事務所がある。で相談してみた。以前書いた「船員保険の被保険者など4項目該当で適用除外になる場合」には会社からそれなりの書式で申請をし、社会保険事務所で認定する必要があること、法第3条第2項の規定の場合、それなりの手帳が用意されていること、が判り、いわゆるここなんか以下経験している、
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「最初の二ヶ月は試用期間なので国民年金・国民健康保険で」
には何の法的根拠がないことがわかった。
さらに、冊子をもらった。そこには、
従業員としての的確性を見るために、一定の期間の試用期間を定めている事業所もありますが、この期間は健康保険法の「臨時の雇用期間」に該当しないため、たとえこの期間が一ヶ月でも被保険者の加入手続きをしなければなりません。
と書いてある。
※ 「健康保険・厚生年金保険の事務手続き」
法令違反をする上場企業は、金融商品取引法にも違反している。
事業活動にかかわる法令順守が出来ていない企業は、その法令違反によって資産の保全が確保できない可能性が大。
最近、表示と異なる肉を出荷した企業が破産し、介護保険給付を不正請求した企業もつぶれた。偽装請負や派遣スタッフから根拠の無い管理料金を取っていた企業も、行政指導を受けたとたん、ストップ安。このような法令違反をする企業は、直接の違反行為によって行政処分を受けるだけでなく、社会的信頼を失うことから、本体だけでなく関連企業の株価を下げることとなる。
※ 子会社の不正によって親会社の株価が暴落、なんてね。
つまり、企業の資産価値までもが下がってしまう。まったく、これらの企業の株を持っていた投資家は、オバカな企業のお陰で資産を減らしてしまった。
※ 株主代表訴訟で損害賠償請求している人もいるね。
投資家が金融商品を購入しようとするときに、不正を隠蔽された情報で購入すると、後で多大な損失を蒙る。なんて事を起こさせないように、企業は健全でなければならない存在なんだ。
何度も書いているが、改正金融商品取引法の直接の対象は金融商品であるけれど、目的とすることは、
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業務の有効性及び効率性
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財務報告の信頼性
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事業活動に関わる法令等の遵守
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資産の保全
であり、これを守ることで経済の健全性を守る・図るということであり、本来強制加入のはずなのに従業員を社会保険に加入させないなんて違法行為も、健康保険法違反・厚生年金法違反というだけでなく金融商品取引法違反なのである。
練馬区南西部の一部では、「僕には理解できていないけれど、合法的にやっているのでは?」なんて考えているおめでたい人もいるけれど、間違いだよ!
過失と故意では罰の重さは異なるけれど、「知らなかった。」では許されないのが日本の法律。「知らなかった。」が「いけない」ということになっているよね?
初出日 07 Aug 2007
最終更新日 07 Aug 2007