自宅から母のいる練馬田柄の特別養護老人ホームまで、自家用車で15分足らずだが、路線バスを利用すると、まず20分に一本のバスに乗り、2回乗り換えで、しかもその乗換えの接続が悪く、一時間はかかるので、初回でバス利用を挫折した。
練馬区のそんなに辺鄙なところではなく、石神井にしても光ケ丘にしてもどちらかといえば住宅地で有名なところだ。光ケ丘には郊外型デパートもある。環状8号-笹目通り、目白通り、谷原交差点、という幹線もある。
アメリカのハワイやロスアンジェルスに行ったことある方々は知っていると思うが、あちらには、初乗り一ドルで2回まで乗り換えOKという「トランスファー」という制度がある。もしこの制度があれば、120円程度で目的地までいかれる。さらに、10分に一本(現在の倍)程度の間隔で運行しているのなら、乗り換え待ちも緩和する。
バス会社は営利企業なので、乗車率の悪い路線は、単位時間あたりの運行本数を減らすとか、路線そのものを廃止するということをする。
不便になればお客も利用しなくなる。悪循環である。
自動車製造会社の経済界や政界への影響力のある国だから、マイカーを持ちそれを利用するように社会がコントロールされているのもあるだろう。だが、国民全員が自動車免許を持っているわけではなく、大人でも免許を持っていない方もいるし、高校生以下の方々など公共の交通機関を利用せざるを得ない方もいる。
そんな方々を切り捨てるかのように、路線バスは不便な交通機関である。
「儲からないものはやらない。」
という考え方もあるだろう。ならば、
「どうにかして利用者を増やそうとする。」
という考えもあってもよいのではないか。
「いかにして赤字にしないか。儲かるようにするか、」
も資本主義的ではないか。
公共の交通機関が便利になれば、利用者も増える。公共の交通機関の利用者が増えれば、道路の混雑も少しは解消する。
イタリアでは、バスと電車の乗り換えに2時間以内なら割り引き運賃という制度があるという。
(TBS「ここが変だよ日本人」でやっていた)
ならば日本でも、路線バスと通勤電車のターミナル駅で、割引制度を導入してはどうか。
路線バスが、運賃を安くし、本数を増やし、運行時間が正確になれば、駅前放置自転車も減るようになる。(と思う)
現在はお上(おかみ)が、各バス会社で食い合わないように、申請に対して路線の割り当てをしているが、これでは競争がなく、儲からなかったら本数を減らすとか、路線を廃止するということをするだろう。
営利企業のバス会社で出来ないというなら、都営バスで導入してはどうだろう。
「儲からないことに税金を使うな。」
ではなく、赤字どころか儲けが出るように、ここに競争原理をいれ、同じ路線を走らせるのだ。
高くて乗り換えのたびに運賃を支払いたまにしかこないバスより、100円近く安く、本数が倍多く、乗り換えも2回効くバスが同じ路線を走っていたら、お客はどちらを選択するだろう。
石原都知事も警備上の問題を解決して、渋谷の官舎から黒塗りの乗用車ではなく、渋谷駅発→新宿新都心経由→新宿駅行き路線バスで通勤(登庁)してもらいたい。現在でも都庁まで乗り換えなしで210円ですむ。痛勤に感じたら黒塗りにするのではなく、快適通勤になるような方法を考えてもらいたい。
初出 1999/04/12
最終更新日 05 JAN 2005