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 > これは変だよ  > ○TTの下請けさん


 

下請けって言葉を普段は使いません。自分が下請け・孫請けになる時には、堂々と私は下請け業者ですと言ってますが。よその会社を下請けなんて今回はわざとです。

1999年8月のこと。いくつかの会社を経由して、○TT-○Eが請負った某居酒屋グループのネットワーク端末取り付け・設定業務というのがきました。

某居酒屋グループには、洋風居酒屋・焼肉・和風居酒屋・海鮮居酒屋などの種類の店舗があります。各店舗はフランチャイズで経営されています。毎日売上と翌日の食材発注をFAXで本部に連絡しています。レジスターもPOSレジであり、一日に二回・開店前と閉店後にデータを本部に送っています。これをモバイルタイプのPCとISDN端末を利用してペーパーレスで行うようするのが今回のシステムです。

このシステム移行・構築を請負ったのが○TT-○Eです。○TT-○Eはその成り立ちが○TT地域会社の工事部隊から始まっている○TT地域会社の100%子会社です。いわゆる「電話を一本引いてください。」と○TTに申し込むと、当日工事にくるのが○TT-○Eです。さらに、実際の工事にくるのは下請け会社です。○TT-○Eの下請けで電話工事をする会社がゴチャマンといます。

○TTの電話工事はそのお客様が一般個人宅が多いということから、下見もせず当日に現場処理でどうにか納める、という方法で工事をします。だからトラックの荷台には使うかどうかにかかわらず工事材料が多種多様にわたって常時積んであります。

○TTがすでに民営化されてからずいぶん経ちますが、それでも下請け工事会社を含め、この人たちが民間の電話とか自営の電話設備と言う言葉があります。いわゆるPBXを導入している企業の内線電話網を指しているのです。(電力会社はこの企業内通信網を利用して解禁後に第一種通信事業者としても商売していますね。)○TTの下請け電話工事業者はこの自営の電話工事業者を忌み嫌っているようです。あなたのオフィスにF通とかN電・M下・H立・T芝というブランドのボタン電話機・多機能電話機が置いてあるならばそれは自営の電話網ということです。

工事の仕方はまったく異なります。自営の電話工事をする業者は、事前にみっちり打ち合わせをします。どこに電話機を置くか(レイアウト)、どの電話機に何という内線番号を付与するのか、どのボタンを押せばどのような機能が利用できるのか、外線をかける操作は、などです。○TTの局線を一本引くだけでも、お客様と事前に打ち合わせをし、代理で○TTに申込みをし、工事当日は現場に立会い、○TTの工事を間違いが無いか見守ります。

○TTさんの場合はどうかというと、まぁ、現場対処ででありますから下見・打合せという概念そのものがありません。

さて、○TT-○Eが請負った某居酒屋グループのネットワーク構築は、普段○TT-○Eの下請けで「こんちは〜、○TTです。」と言って電話工事をしているいわゆる下請けの業者が、各店舗の端末取り付けを孫受けしました。事前に○TT-○Eとの打ち合わせで、
 「これはIPアドレスという電話番号みたいなものが、各端末に割り振られ設定されています。電話と異なり、回線にアドレスが付与されているのではありません。どの端末でもどこの店舗でも使えるという電話とは異なります。ここの店舗はこの端末という設定がすでに済んでいますから、くれぐれも間違わないように。」
という御触れを受けていたにもかかわらず、いつもの○TTの通線工事・電話端末取り付け工事のノリで、
 「請負金額は決まっているのだから、一日に何軒回れるかでコストメリットが出る。さっさと取り付けてしまえ。」
と各店舗を回り機器に静的に設定されたIPアドレスを確認せず取り付けてしまいました。回線に番号がつくという電話のネットワークは理解していますが、@どこの回線に挿してもOKというバス配線の概念、A端末がアドレス番号を持っているというコンピューターネットワークの理屈を理解されてなかったのでしょう。従前の電話番号は変わらないのだから事前の打合せを無視してもできると考えたのです。端末に割り振られたアドレスを無視して、「この端末はこの店舗用」の教えを守らずに、ただただ各店舗に一台づつ取り付けましたので、偶然IPアドレスが計画通りのもの以外は通信できなかったのです。

そこで、まだ工事していないところも含めて全店舗機器の取り付けし直し、ということになりました。無駄に時間を経過していますから、今度は大学生のアルバイトを利用しての人海戦術だそうです。まったく、○TTの下請け電話工事業者はケーブルを引っ張ることは出来ても、コンピュータ通信の理屈とか仕組みはまったく理解していない、理解しようとしない方々ですから、またまたこんな方法でも対処できると考えてしまったようです。中間搾取の構造の中で「あっ、これはどうもヤバイぞ!」と感じた方がいて僕が呼ばれました。

POSレジと既存電話機・FAXををISDNルーターのアナログポートに接続し、地域の○TT局内でアナログからINS64への切り替えを待って通話を確認するというのが各店舗での作業です。当然今までの○TTの電話工事のノリで下見なんかしていません。FAXと既存電話がある場所とPOSレジのある場所・電話線の引き込んである場所を当日になって確認し、最良の場所へISDNルーターを設置し既存端末を接続します。手持ちのモジュラーケーブルとローゼットで間に合うところもありますが、まったく届かないところもあります。実際の距離をまったく考慮せず、接続のみに必要十分のローゼットとケーブルを渡されているバイト君は、現場に到着後、接続設定が出来ないことを理解します。普段、一般のお客様には次のような対応はしないですが、同じ身内ということで、工事続行不可能という店舗では、地域○TTに連絡をしISDNをアナログに戻します。その決断が遅れると、夕方地域○TTが営業を止めてから工事中止となり、店舗はその日の営業しているにもかかわらず電話が一切できなくなる、なんてこともありました。居酒屋ですからね、夜が勝負です。「何で電話が出来ないんだ!」ってTAを取付けに来た大学生が怒鳴られます。

店舗の中にはテナントビルに入居しているから、通信設備はビルのPBXに収容されているものを使用していて、○TTの局線を直接は使用していない場合もありました。この場合は取り付け工事そのものが不可能です。このレイアウトやPBX収容の実態は下見をすれば一目瞭然なのですから、それをしないで現場処理で可能と思い込んでいるその姿勢・哲学・思想・文化に問題があります。

テナントビルの時は、「アルバイトの手におえない時の為に付近でスタンバイ」と2人来ていましたが、「テナントビルのPBX内線収容ですよ。」というのが理解出来ない。こいつら何も出来ないんで私がビルオーナーの事務所を探し出して、PBXの位置を確認し、そこに出入りしている自営の電話工事業者を探し出し、連絡を取りました。こんなことは当日ではなく事前に済ませておくべきことでしょう?

(更に言えばだ、これは僕がやることではなくて、スタンバイの2人=あなた方がやるべきだろう。しかも一人は部長だそうだ。

今日は中止、と決定し解散間際に、「この現場はどのように電話網が構成されているのか、そして、これからこの現場どのように対処したらよいのか?」を訊いてきたけど、そんなことも判らないの?それ自体あなた方が調べることだろう?タダで訊こうとするなよ。その分はギャラに入っていないだろう?もちろん僕は知っているけれどね。

おまえらの行動1つで、○TTや○TT-○Eのブランドが汚れ、お客様が減るんだぜ!)

すでに○TTが民営化されているというのに自営の業者を民間という言い方・意識、○TTは潰れないから○TTからのだけを仕事やっていれば食っていけるんだという意識なのです。

困ったもんですねぇ。

初出 AUG 1999
最終更新日 19 AUG 2003



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